一級建築士資格独学散歩道

一級建築士資格取得までの道のりを散文的に綴ります。

19.どうやって資格学校生に勝つか『選択肢正誤判定学習法』

 今年も一級建築士学科試験まであと3か月を切った。今後は過去問を効率的に解かなければならない。
 以前、総合資格学院の営業さんと話した時に、過去問だけではなく、新規の問題への対応力が必要だといわれ、すっかり意気消沈気味の自分である。しかし、何とかこの難局を打開する方法はないのだろか。過去問を解きつつ、新たな問題にも対応できるようにするにはどうすべきなのか考えてみた。
 

  実は、昨年は設問一つひとつに対して正誤を記録し、解けなかった設問を確認することで正答率を高めていった。しかしこれでは新規の問題への対応力は高まらない。なぜなら、殆どの設問は4問の正誤判定による、いわゆる四択形式なのだ。四択形式の問題を解く場合、4つの選択肢すべてに対して正誤判定が必要なわけではない。もっとも不適当な選択肢を選択する問題では、その不適当な選択肢が見つかった時点で正答を導き出すことができてしまう。たとえ残りの三つの選択肢に対して正誤判定ができなくとも、その設問は正解できるのである。

 しかし、新規の問題では,、まさにここで正誤判定が不要であった選択肢が組み合わせを変えて出題される可能性が大きい。したがって、過去問を解くにあたっては、四択形式で解くのではなく、すべての選択肢に対して正誤を回答できるようにするべきなのだ。
 そこで、今年度からは、例えば「計画」であれば20問×4問で合計80問、「法規」であれば30問×4問で合計120問の正誤判定を記録をするようにした。
 
 ここから先は具体的な学習方法を説明したいと思う。まずは、過去問を解く際の解答の書き方である。基本的には○×△を各選択肢の先頭に記入する。「○」は正しい記述、「×」は間違った記述、「△」はどちらか分からない場合、おそらく本試験でも多くの受験生がこのような記入を行っていると思う。(サンプル画像を見ていただくと、マジックで書いているように見えるかもしれないが、ここで使用しているのは「消えるペン」である。詳しくは、このブログの過去記事を参考にしてほしい)。

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 さて、ここでイレギュラーな設問に対する回答方法を説明する。多くの設問は「最も不適当なものはどれか」であるが、ごくたまに「最も適当なものはどれか」といった逆の選択を求めれる場合がある。このようなごくたまにある設問を「反転正誤」と呼ぶことにする。この反転正誤の設問があると、本試験では問題用紙に記入した回答記入(○×△)のうち、「×」を記入した選択肢番号をマークシートに転記する時には不都合が生じる。反転正誤の設問のみが「○」を記入した選択肢の番号をマークシートに記入する必要があるからだ。このため、私は「○×△」とは別に正解を意味する記号を別途に記入するようにしている。通常は横三角または「→」を記入している。このように、正解を導き出すための記入と、マークシート転記用の記入を分けることで、マークシートへの転記時にミスをしないようにしている。
 しかし、今紹介している学習方法では、マークシート転記用の→記号を記入する必要はない。あくまでも、選択肢ひとつひとつに対する正誤判定力を身につけることが目的なので、設問に対して正解したか否かは問わない。そもそも、まぐれで正解してしまう場合もあるので、設問ごとの正誤を結果とし記録することは、あまり意味がないのである。
 
 もう一つのイレギュラーなパターンは、「構造」の冒頭で出題される正解を算出する形式の設問などである。この場合は、四択の中の正答は一つしかなく、それ以外は明確に誤りである。当然のことながら「○」を記入するのは一つの選択肢であり、残りは「×」を記入することになる。そして、もし解法が分からなければ、偶然に正解をしないよう全ての選択肢に「△」をつけるようにする。
 
 一通り解答を終えたら、記入した記号をエクセルシートに転記する。記号をそのまま転記するのではなく、○は1、△は0、×は「-1」と数値に置きなおして転記するのだ。なんといっても、このエクセルシートの活用が選択肢正誤判定学習法の肝なのである。ここで、正解記入用のエクセルシートを以下からダウンロードして内容を確認していただきたい。実際のシートを見ていただいた方が断然説明の理解が早いからだ。
 シートは過去問の年度ごとに分けるのではなく、科目ごとに分けている。そのほうが、設問数が統一でき、また苦手分野の確認をしやすいからだ。

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 科目ごとのシートは、設問数が異なるだけですべて同じ形式の項目配置となる。一番左端の列から項目を説明する。
A.年度:過去問の実施年度
B.番号:設問の番号
C.選択肢:設問内の選択肢の番号
D.正解:選択肢が正しいものは1、誤りまたは不適当なものは「-1」。
E.回答:ここに問題用紙に書き込んだ記号により、○=1、△=0、×=「-1」を記入する。
F.正誤:この列には「正解の値」から「回答の値」を引いた値の絶対値を表示するため、計算式「=abs($D16-E16)」が設定されている(ここでの「16」は例としての数値)。
  「正誤」欄には、正解との差分の絶対値を関数で表示させている。選択肢に対する正誤判定が正しければ0になる。誤っていれば2、不明だった場合1であ る。つまり、選択肢に対して正解の場合は0と表示され、逆の回答(正しい選択肢を誤りと判断したり、不適当な選択肢を正しいと判断)をした場合は2という最 も大きな数値となる。したがって、この正誤判定の合計は、数値が小さいほど良い成績を示す。
 最後に、目標点の設定方法について説明する。まず、全体の8割正解を目指す。「計画」であれば25問×4択であり、問題数は80となる。あいまいではなく正解できる割合を80%とするのだから、例えば「計画」であれば80問のうち64問が0となるようにする。つまり、スコア16以下が目標である。選択肢正誤判定学習法により過去問を2回解いてからスコアを確認し、不明選択肢を徹底的に暗記すれば結構高得点を狙えるのではないかと目論んでいる。
 
 以上で本試験における新規問題に対応するための攻略法「選択肢正誤判定学習法」の解説を終了する。独学で勉強中の皆さんには是非とものこの選択肢正誤判定学習方法を活用してみて頂ければ幸いである。
 
※このブログで提供するエクセルシートを使う場合は、以下の点にご注意ください。
  1. このエクセルシートの正解記入欄「D列」には反転正誤に対応していないものが多々あります。
  2. このエクセルシートは正解記入、関数の動作を保証するものではありません。
  3. このエクセルシートに対する不具合や改善点がある場合は、是非とも当ブログのコメント欄にご記入ください。