一級建築士資格独学散歩道

一級建築士資格取得までの道のりを散文的に綴ります。

【寄り道】プログラミングな独学のすすめ(その1)Pythonに立ち寄る

 このブログは一級建築士資格を取得しようとしている皆さん向けに書かれているのだが、今回はちょっと脇道に逸れるのである。いわゆる寄り道なのだ。

 「不気味の谷」というものがある。おっと、寄り道したとたんに藪から棒なのである。この「不気味の谷」の意味するところは特にロボットのような疑似人間的なものの見た目が人間に似れば似るほど不気味に見えてくるとう奇怪な現象のことを指す。ご存知ソフトバンクのペッパー君は、この不気味の谷を避けるためにアニメキャラクター的な顔立ちをしている。ロボットのデザインというのは、このような心理的な親しみやすさに重きを置くのだと思う。

 

 

 ペッパー君が所属するソフトバンクは最近とみにロボットに力を入れていて、建設とも深く関わるようになっている。建設現場に実証実験的にロボットを投入しだしたのだ。可能であれば、次の映像を見てほしい。見てわかる通り、動きがなんとも不気味なのである。ただし、このロボットは作業を手伝ってくれるわけではない。工事現場内をチェックして回るのだ。つまり工事監理者の代わりなのである(((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル)
 
 今や建設現場にもITの波が押し寄せ、さらに設計現場でも人工知能による自動設計が注目されているのは周知のことと思う。そして、自動設計やロボットの導入に欠かせないのがプログラミング技術である。このプログラミング技術というのは、実は建築とも電気とも異なる。よく私たち建設系技術者というのは、電気などの技術者に対して理解できない部分が多い。なぜなら、電気は見えない技術だからなのである。建設は見える技術である。ではプログラミング技術は見える技術なのか、はたまた見えない技術なのか?
 
 私の考えでは、プログラミング技術は建設技術とも電気技術とも全く異なるものだ。それはいわば建築設計図面を言葉で書くようなものである。ITの現場でも、システムを「構築」するという。その論理的基礎になっているのがプログラミング言語である。つまり、プログラミングとはコンピュータ内の仮想空間に、言葉を使って何かを構築することなのである。そして、プログラミング言語とはコンピュータとの会話のためのごく単純化された言語なのである。
 
 大きなくくりでは「言語」は、自然言語と人工言語に分類される。私たちが一般に使用している、日本語、英語、中国語などは自然言語と呼ばれる。人工言語には、機械語(マシン語)、マークアップ言語、そしてプログラミング言語などがある。BASIC、COBOL、C、などが古くからあるプログラミング言語の代表例だ。近年そこに新たなプログラミング言語が加わった。一般に普及しているのは、JavaとそしてRubyとPythonなどである。Rubyは日本人が開発した。Rubyの開発者である松本氏は「Pythonに満足していたらRubyは生まれなかった」と述べているらしい。
 
 これらプログラミング言語の違いを建築的にのべるなら、鉄鋼造とかRC造などの構造の違いであるといえる。鉄骨造とRC造ではその自由度が違うように、使用するプログラミング言語によって、構築できるシステムの範囲は変わってくる。大規模でち密な設計をするのであればC言語が適している。Webという空間に構築するのであればJAVAが適している。そこに、データ解析や機械学習と連携できる言語としてPythonが注目されてきたのである。
 
 はたして、これまでの説明でプログラミング言語のイメージがつかめていただけただろうか。もしあなたが本当にプログラミング言語に触れたいと考えるなら、それは実に簡単なことなのである。かつては、プログラミングを学ぼうとしたときは言語ソフトのパッケージ製品を購入したり、あるいはそこそこ高度な手法を使って開発環境を整える必要があった。これは、建築設計で言えば以前はドラフターや平行定規などもろもろを購入し使い方を学ぶ必要があったのと同じなのである。
 しかし、今はその敷居が低くなったのだ。Pythonという言語を選択するなら、パッケージソフトを購入したり、七めんどう臭い環境構築を行う必要はないのである。
 
 もしあなたがプログラミング言語を本気で知りたければ、ちょうど良い本がある。それがここに紹介する『独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで』である。この本ではプログラミング言語の種類としてPythonを使用している。つまり、ノートパソコンとこの本があれば早速プログラミングの独学が開始できるのだ。入り口はここにあるといってよいと思う。本を開いてキーボードから「print("Hello World!")」と入力すること。プログラミングのすべてはそこから始まるのである。
 次回は、なぜ今「Python」なのかを知る場所に寄り道しようと思う。
独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで

独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで